「今回の成績評価基準変更について」議論しました。
単位の取得に関心のある方は とっくにご存じかと思いますが(笑)、まず、念のため変更の具体的内容について説明します。
我が専修大学では、今年度から成績評価基準が変更されました。その内容としては、①単位認定の基準点が50点から60点に引き上げられた。②成績の付け方が4段階から7段階に変更され、細分化された。③この制度は全学年を対象とする。
といったところです。
まぁ、僕たち学生としては単位が取りづらくなり、あまり良い気分はしませんが、学生としての視点からだけではなく、もっと広い視点からこの制度について議論しました。
①まず、この成績評価基準変更の背景は何か?
文部科学省からの要請があったことが考えられる。そして、それに応じなければ、文部科学省から大学に補助金が出なくなる可能性があったのではないか。
②そうだとすると、なぜ、文部科学省はこのような要請をしたのか?
(1)他の多くの大学では、既に単位認定の基準点が60点になっており、就職活動等において、公平性、利便性の観点から全ての大学に共通する評価基準が求められる。
(2)「研究」の土台として、「勉強」が必要であるにも関わらず、勉強しない学生が多すぎるので、文科省がそんな学生達に発破をかけた。(勉強と研究は学問に向き合っている点は共通しますが、前者は既知の領域にとどまり、後者は既知の領域の外に向かっています。研究の方が社会貢献に繋がりやすいと言えます。)
という2点が考えられます。
③この成績評価基準変更は悪い改革か?
①、②で論じたことを前提とすると、そもそも就職活動において学校の成績は指標となりうるのか? という突っ込みどころはありますが、文科省の目的は正当であるような気がします。
しかし、次の三点を指摘できます。(1)全学年を対象にする必要はなかったはず。新入生のみを対象にすれば十分だったはず。(2)学生に対して今回の変更について事前告知が無く、不意討ちのような形になってしまっている。(3)学生の関心を「研究」に向けさせたいなら、成績評価基準を厳しくするよりも、意識改革をすべき。その方が直接的な効果が期待できる。
よって、文科省は成績評価基準の引き上げの前にすべきことがあるし、また引き上げるとしても、今回のやり方には問題があった。
という結論に至りました。少なくとも、今回の変更は良い改革とは言えないでしょう。
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